命をつなぐ仕事と私たちにできること 〜救命救急講座の学びとFPの視点〜

テレビドラマ「119エマージェンシーコール」を見て、指令管制員という職業の存在を知りました。
指令管制員とは、119番通報を受けて消防隊に出動指令を出す仕事です。
災害や事故の通報を受け、的確に対応することで人命を救う、非常に重要な役割を担っています。
ドラマでは、若き指令管制員たちが誇りをもって仕事に向き合う姿が描かれていました。
特に印象に残ったのは、主人公の女性が「私たちの仕事は、消防に電話をつなぐだけではなく、
“命をつなぐ仕事”だと思っている」と語るシーンです。
この言葉に深く共感し、こうした仕事に携わる方々への感謝の気持ちが込み上げました。
同時に、社会のさまざまな職業や役割を知る機会として、ドラマの意義を改めて感じました。
そんな中、2月の日曜日に福井市で開催された「上級救命救急8時間講座」に参加しました。
この講座は福井市、大野市、勝山市、永平寺町が連携して実施しており、
定員50名ほどのところ、キャンセル待ちが出るほどの人気ぶりでした。
実際に参加してみると、多くの方が防災意識を持ち、真剣に学ぶ姿勢に感動しました。
質問も活発に飛び交い、福井の方々の防災意識の高さを改めて実感しました。
実は、私がこの講座に参加したのには、もう一つ理由がありました。
数年前、駐車場で倒れている高齢の女性を見つけ、救急車を呼んだ経験があります。
しかし、救急車が到着するまでの間、私は何をすればよいのかわからず、ただ見守ることしかできませんでした。
近くにいた医療従事者の方が、すぐに声をかけ、意識や心拍を確認し、適切な対応をしている姿を見て、
「自分にできることがあったのではないか」と強く感じました。
この経験がきっかけで、「必要な知識は自ら学び、備えておくべきだ」と考えるようになったのです。
講座では、救命救急士の方々から講義を受け、AEDの使い方や心肺蘇生の実技訓練を体験しました。
福井県の救急車到着時間は平均8分30秒(全国平均は約10分)と言われています。
その間に、周囲の人々が適切な処置を行えば、救命率が上がり、後遺症のリスクも低減できることを学びました。
8時間の講座はあっという間に過ぎ、その内容の充実度に驚くとともに、
「福井県民全員が受けた方がよい」と心から感じました。
私自身、今回の学びを通じて、自分の無知さを痛感しました。
そして、「もしものとき」に備える大切さを強く実感しました。
災害や事故はいつ、どこで起こるかわかりません。
その時、自分がどう行動できるのか、しっかりとイメージしておくことが重要です。
また、FPとしての視点でも、この学びを生かしたいと考えています。
防災や救命救急の知識は、ライフプランにも深く関わります。
個人のリスク管理の一環として、こうしたテーマをより多くの方に伝えていきたいと思いました。
そして、2025年には「防災士」の資格取得も視野に入れ、福井の中小企業のBCP(事業継続計画)や、
個人のライフプランにおいても、よりリアルな形で防災・救命の意識を高める支援をしていきたいと考えています。
最後に、「命をつなぐ仕事」は、決して特別な職業の人だけが担うものではありません。
私たち一人ひとりが学び、備えることで、大切な命を守ることができるのです。
今回の経験を生かし、これからも学び続け、伝えていきたいと思います。