コラム

Column

身近になった認知症

私の母方の祖母が認知症を発症し、2年程前から施設へ入所しています。

最初の頃は、少しの物忘れ程度だったものが
数か月後には食事をした記憶がなくなり、お金がなくなったと騒ぐようになり
深夜俳諧をしてしまう・・・という
認知症の典型的な症状が頻発するようになりました。

つい先日、久々に施設へ出向いてみると、
私のことは全く記憶からなくなってしまったようで
知らない人が何故、自分に会いにきたのか理解が出来ないという状況で
少し困惑させてしまったようです。

認知症という言葉が浸透し、誰しも認知症になる可能性があることは
わかっていたつもりですが、
これまで身近な親族になった方もおらずどこかで遠い存在のように感じていたのだと思います。

それが今回祖母と会い、自分の存在が全て忘れられているということに
直面してしまうと、何とも言えない気持ちになりました。

厚生省が発表した将来推計によると、
2040年の認知症高齢者は580万人になるようで、
高齢者の7人に1人が認知症になるといわれているようです。
この数字を聞いてしまうと、どんどん身近に迫ってくる感覚にもなります。

母は祖母が認知症になったことで、
いずれは自分もいろんな記憶がなくなってしまうのだろう
ということを少しずつ考えるようになったようで、
事あるごとに、どこに何がある。だとか、
この人はどんな付き合いの人だとかを、私に話すようになってきました。

お客様の中には、認知症になった場合に家族にしてほしいことリストを
ノートにまとめていらっしゃる方もいました。

記憶がどんどんなくなっていくことは本人も辛いですが、
周りの家族はそれ以上に寂しい気持ちにもなっていきます。

意志がしっかりしているときに
こうしてほしい!という想いを伝えておくことは、
周りの方々へ、本人が望んでいたことをしてあげられているのだという
道しるべになります。

生前の整理はいつか・また今度と先送りにしてしまいがちですが
思い立った時に実行していくことを心がけたいですね。

(Writer AFP 山口泰道)

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