「もしかして〇〇かもしれない運動」、始めませんか?

先日、あるラジオ番組で印象的なお話を耳にしました。
それは、ある運送会社が取り組んでいる
「かもしれない運動」についての紹介でした。
長距離トラックのドライバーさんたちに、
「事故に気をつけろ!」
「絶対に事故を起こすな!」
そんな声かけを続けても、事故はなかなか減らなかったそうです。
ところが社長さんが、あるとき声かけの内容を変えました。
「もしかして、動物が飛び出してくるかもしれない」
「もしかして、前のトラックが荷崩れするかもしれない」
「もしかして、人が歩いているかもしれない」
と、「かもしれない」の視点を持って運転してほしいと伝えたのです。
その結果、ドライバーさんたちが自然とスピードを緩めたり、
車間距離を取ったりと意識が変わり、実際に事故が減ったという話でした。
このエピソードを聞いて、私はすぐに「お金に関するトラブルにも通じるな」
と感じました。
今、フィッシング詐欺や投資詐欺など、巧妙な手口が日々進化しています。
「自分は絶対に詐欺にはあわない」という思い込みよりも、
「もしかして、これって怪しいかもしれない」
「自分ももしかして詐欺にあうかもしれないだから注意しよう」という
「かもしれない」というの視点を持つことが予防策になるのではないかと思いました。
たとえば最近では、実在の企業や金融機関を装ったメールやSMSが届き、
偽のサイトへ誘導して、IDやパスワード、クレジットカード情報を
入力させようとする手口が急増しています。
これは「フィッシング詐欺」と呼ばれ、誰にでも起こりうるリスクです。
お金を守るうえで大切なのは「知識」そして「気づき」です。
「変だな」「ちょっと違和感があるな」
「もしかして詐欺かもしれない」
そんな風に疑うことは、決して悪いことではありません。
そう思ったときに、すぐに誰かに相談すること。
そして、送金や個人情報の入力を一旦立ち止まって確認すること。
これは、金融リテラシーの基本であり、自分自身を守る第一歩です。
自分や家族、大切な資産を守るための賢さにつながります。
「もしかして〇〇かもしれない」運動を一緒にはじめてみませんか?
(Writer CFP 蒲幸恵)