ご相談事例

Consultation case

ご相談内容

【損金ではなく、戦略で考える法人保険の活かし方】

(福井市/50代/経営者)

ご相談の前提

先代の退職金を生命保険で積み立てていました。
保険の見直しをそろそろ考えたいとご相談でした。

「昔みたいに、100%損金で落とせて、
9割くらい戻ってくるような保険って、もうないの?」

かつていわゆる「節税保険」が多くの中小企業で使われていた時代がありました。
しかし、2019年2月14日“バレンタインショック”と呼ばれる通達改正によって、
法人保険での全額損金はほぼ姿を消しました。

個別相談でアドバイスしたこと

現在は、解約返戻金のピークに応じて損金算入率が制限され、
多くの商品で「4割損金・6割資産計上」が一般的な設計です。
この改正で「保険=節税商品」という考え方は過去のものとなりました。
しかし、法人保険そのものの価値がなくなったわけではありません。
今は、経営の安定と人への備えという本来の目的に立ち返るとよいとアドバイスしています。

法人が生命保険を活用する主な目的は、次の3つに整理できます。

①経営者の保障確保
 経営者に万一のことがあった場合、借入金や運転資金を確保し会社の継続を支える。

②退職金・弔慰金の原資準備
 解約返戻金を退職金や弔慰金の支払い原資として積み立てる。
 保険を“社外積立”もしくは”簿外資産”として内部留保だけに依存しない資金準備が可能です。

③事業承継対策
 後継者への株式移転や相続税資金の確保など、スムーズな承継をサポート。
 法人の自社株の買取資金を準備することで、後継者の負担を軽減できます。

社長の場合も、
「節税目的」から「退職金と事業承継資金の両立」へと視点を切り替えていただくご説明をしました。
見直しの結果、一定期間後に解約返戻金を確保できる設計に変更し、
キャッシュフローの予測も合わせて整理。
将来の退職タイミングと返戻率のピークを重ねることで、
法人の安定経営と個人の備えも含め、検討していくことになりました。

制度や商品は時代とともに変わります。
しかし、経営者が「会社と人を守るためにどう備えるか」という本質は変わりません。

「保険で節税」は終わりましたが、
「保険で未来を設計する」時代は、今まさに始まっています。

保険という商品をどのように法人、個人で活用するかを検討していくことは
経営者の未来に繋がる大事なことだと思いました。

お客様の声

「昔みたいにうまい話はもうないけど、
“計画的に備える”という意味では、保険もまだまだ使えるね。」
社長のこの言葉が印象的でした。

個別相談

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