ご相談事例
ご相談内容
【記憶力や体力に自信がなくなり、10年前に作成した遺言を見直したい】
(越前市/80代/不動産経営者)
ご相談の前提
相続が心配な年齢になり、現在作成してある遺言の見直しをご希望のこの方は、
家族のためにと10年前に公正証書遺言を作成されていました。
しかし、現在のご自身や家族の変化に対応できていない状態でした。
相続人は配偶者と長男の2名というシンプルな構成ながらも、
配偶者が高齢であることや、ご自身の体力低下が気がかりとのことでした。
個別相談でアドバイスしたこと
まず、現在の遺言書を拝見しながら、作成時の想いや状況をじっくりお聞きしました。
その中で、以下のようなご不安が明らかになりました。
・配偶者が認知症になった場合の対策を考えておきたい
・体力や判断力が衰える前に見直しをしたい
そこで、遺言が持つ役割とメリットを改めて整理しました。
・遺言があることで得られる安心感
・財産分けに自分の意思を反映できる
・家族への想いや大切な価値観を伝えられる
・正しい内容であれば、スムーズな相続手続きが可能
さらに、公正証書遺言の特長もご説明しました
・高い法的効力で、相続手続きが簡単に進められる
・検認が不要なため手間が省ける
・公証役場に保管されるため、紛失や災害のリスクが少ない
また、遺言書に記載できない内容(法律に触れる事項や公序良俗に反する内容など)についても明確にご説明しました。
ご提案と解決策
遺言書の修正を希望された理由を詳しく伺う中で、「奥様に残す予定の自宅の管理が心配」というお話がありました。
将来、奥様が認知症になった場合、修繕や増改築が難しくなる可能性を懸念されていたのです。
そこで以下の提案を行いました。
遺言書の中で、
・自宅に関する記載を「奥様から長男へ変更」する部分的な修正
・奥様の住宅分を別の財産に振り分ける形でバランスを取る
これにより、ご本人も「全てを書き換える必要はない」と安心されました。
また、他の方法として生前贈与や譲渡も検討しましたが、税金面やコストの点から、今回は遺言の修正を選択されました。
お客様の声
自分のことだけではなく、妻の状況もみながら、長男に迷惑がかからないように改めて準備したい。
引き続きよろしくお願いします。