ご相談事例

Consultation case

ご相談内容

【退職金は税金がかからないと思っていました】

(福井市/60代/サラリーマン)

ご相談の前提

退職金は一括で受け取るのと分割で受け取るのと、どちらがよいでしょうか?
税金の違いがあれば教えてください。
退職金は税金がかからないと思っていました。
現在の会社での勤続年数は21年。
退職金の具体的な金額は未定の状態でのご相談でした。

個別相談でアドバイスしたこと

■退職金の税制について
退職金には「勤続年数に応じた退職所得控除」があります。
この控除額の範囲内であれば、税金はかかりません。

■退職所得控除額の計算方法
勤続20年超の場合:800万円 + 70万円 ×(勤続年数 – 20年)
勤続20年以下の場合:40万円 × 勤続年数
今回のご相談者様(勤続21年)の場合、
800万円 + 70万円 × (21年 – 20年) = 870万円が退職所得控除額となります。

■一括受取の税金計算
退職所得は以下の計算式で求めます。
(収入金額(源泉徴収前の金額)- 退職所得控除額)× 1/2 = 退職所得

この退職所得に対して分離課税(他の所得と合算しない)が適用されるため、
税率が低くなり、手取りが多くなるケースが一般的です。
そのため、一括受取を選択する方が多いことをお伝えしました。


■一括受取と分割受取のメリット・デメリット
【一括で受け取るメリット】
税制上の優遇:退職所得控除の適用、1/2課税、分離課税の恩恵が受けられる。
手取り額が大きくなる可能性:結果として税金負担が軽減。
運用の自由度が高い:まとまった資金を資産運用に活用できる。

【分割で受け取るメリット】
浪費のリスクが低くなる:一度に大金を手にしないため、計画的な資金管理がしやすい。
【分割受取のデメリット】
受取額が「雑所得」として扱われ、公的年金等と合算されるため、税負担が増える可能性がある。
確定申告が毎年必要になる。

■一括と分割のハイブリッド受取方法
退職金が退職所得控除額を超える場合、「一時金+年金方式」を活用する方法もあります。
退職所得控除の範囲内は一時金で受け取る。
超過分は年金方式で受け取る。
ただし、企業によっては併用ができない場合があるため、事前に確認が必要です。

■税金と受け取り方の注意点
分割で受け取る場合、
国民年金や厚生年金と同じ公的年金控除の対象となる「雑所得」扱いになる。
受取額によっては課税所得が増え、税負担が増す可能性がある。
確定申告が毎年必要になる。

退職金の具体的な金額が確定すれば、さらに詳細な税金シミュレーションが可能ですので、
改めてご相談くださいとお伝えし、個別相談を終えました。

お客様の声

退職所得控除のことは知っていましたが、 退職所得が分離課税で、しかも1/2課税になることは知りませんでした。(結構複雑ですね)
自分の場合、一括で受け取ってもそれほど税金がかからないとわかり安心しました。 退職金は一括で受け取り、他の資産と分散しながら運用し、老後にやりたいことを楽しみたいと思います。 ありがとうございました。

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